どうも、おひさしぶりでございます。

神在月の島根県はやっぱりおめでたいようで、至るところでイベントが行われているのです。イベントのオンパレード。イベントの宝石箱でございます。

そんなこんなで、ブログの更新が停滞してしまっていたのですが、半年間ほどの長い期間をかけて準備をしてきた重要なイベントが無事に終了したので、そろそろ復帰しようかなと思っています。


限界集落で、ムラハジメ。

その半年間の長い準備をかけてきたイベントとは、『KANETAムラハジメPROJECT』という、島根県江津市にある限界集落にエネルギーを与えようと立ち上がったプロジェクトです。


KANETA ムラハジメ PROJECT
※メニューは左上からどうぞ!


人口60人、全37世帯。
「村納め」から「村始め」へ。 

放っておいたら終わってしまう集落。

この金田町という集落を終わりにしてしまうのではなく、「始める」ために、地元と東京の若者がつながってプロジェクトとして立ち上がったのです。

「半年間ほどの長い期間をかけて準備をしてきた」といいつつも、この半年間、僕自身はそんなに関わっていませんでした。本当は関わっているはずだったんですけど、6月から島根に移住してきて、紆余曲折いろいろありまして、 ガッツリと参加できなくなってしまったのです。

それはそれは、とても悔しくも、ほっとしつつも、申し訳ない気持ちでもありました。



 
なぜ、関われなくなったのか?

それは僕が未熟だったからだと思っています。このイベントに僕はガッツリ関わる予定でした。むしろ、このイベントがあったから仕事を辞めて島根に行く決断がスムーズに出来たとも言えます。

しかし、それは中途半端な志となってしまいました。

さっきも言いました。理由は未熟だったから。 そう、見知らぬ町の見知らぬ集落の見知らぬ人にエネルギーを分け与えるほど僕には力が残っていませんでした。毎日を生きることに手一杯でした。手一杯ならまだしも、自分と向き合うことを恐れて、「誰かを救うこと」に逃げていたのかもしれません。


誰かを救うことは簡単なこと。

ところで、今社会現象的に「地域活性化」という単語をあらゆるところで拝見できます。まちづくり系のNPOで働いている僕は、一時期前のパンケーキのように流行りに乗っかっているのですが、「地域活性化」はなぜこんなに流行っているのでしょうか?

単純に過疎地域増え、少子高齢化が進み、そこに対して危機感を持っている人が増えてきているということや、仕事のあり方、資本主義のあり方に疑問を持ってきている人が現れていることが理由としてあるのだろうと思いますが、流行として流行っている理由は別にあると僕は思っています。

それはみんな「誰か」を救いたいから。

「誰か」って誰でしょう?誰だかわかんないけど、「誰か」を救いたいんです。「誰か」を救うことは、難しいようで簡単です。見知らぬ誰かを救うことなんて簡単なんです。だって、募金をすれば「誰」かは救えるでしょ。

「誰」を救ったかまではわからなくても、確実に「誰か」は救えます。厳密に言えば、それで救った気になれます。「誰がどのように」救われたのかはわからないけど、「誰か」は救えるんです。

でも、それで良いんでしょうか?

僕はここ数ヶ月間、そんなことばかりを考えていました。島根に縁もゆかりも無い僕が、ここ島根で「誰」を救えば良いんだ?と。そして、「誰か」を救おうと必至になっていました。

でも、最近思っています。「誰」も救えないんじゃないかと。「誰か」が「顔が見える誰か」になったら、人は急に救えなくなることを実感しました。家族を救う。恋人を救う。友達を救う。

「顔の見える誰か」を救ったことはありますか?

おそらく僕にはまだ心当たりはありません。誰も救ったことがないし、今も出来ないし、これからも出来ないかもしれません。誰も救えないってことを認められますか?認めることは辛いことです。でも、誰も救えないんです。だから人は「誰かを救おう」とするんじゃないかと思います。


いつでも手を差し伸べることが出来るように。
 
僕は、身近な人を救うことから逃げ、誰かを救おうとばかり考えていました。東京でバリバリ仕事をやっていた頃も、島根に行くことを決意した頃も、そして島根に来てからも。

自分が「誰も救えない」ことを認められず、自分から逃げていたんだと思います。

でも、このままじゃダメだ。と、今年の夏に思いました。

誰かを救う夢なんて見てないで、身近な「顔の見える誰か」を救えるようになろうって。それは簡単なことじゃないけれど、ひとりくらい救えるようになろうって。だから、今回の金田のイベントは出来る範囲で手伝うことにしました。そのせいで迷惑をかけてしまったこともあったと思います。

それでも「忙しい中ありがとうね!」と言ってくれた方々には、とてもとても感謝しています。でも、僕はまだ何もしていないんですよ。

僕には金田の人たちを救うことはできないんです。

でも、今回のイベントを終えてひとつ感じたことがあります。目の前に「助けて欲しい」という人がいたら、その瞬間手を差し伸べることは出来るんじゃないかって。そして、今までのように「誰か」を救うことばかり夢見て、遠くばかりを見ていたら、目の前の手にも気づけなくなってしまうんじゃないかなって。

誰かの手ではなく、そこにいる誰かの手を差し伸べること。まだまだ簡単にはいかないことですが、忘れないように続けていきたいと思います。

今回、3日間のイベントを共に過ごしてくれた皆さん、とても楽しかったです。やっぱり仲間って良いなって再確認することができました。まだまだ頑張れそうな気がします。

あでゅ。