先日、島根の情報発信集団「シマブロ!」が主催する「IUターンカフェ」に参加してきましたー!「IUターンカフェ」というネーミング通り、「IUターン」してきた結果、現在島根に滞在している人たちがいっぱい!
シマブロ!さんの拠点が、西部の松江にあるということもあって、東部に住んでいる僕にとっては、未だ見ぬ同士と出会えるチャンス!もしかしたら、あんな出会いやこんな出会いもあるんじゃないかと、よこしまな動機も抱えつつ、うきうきわくわくしながら参加してきました!
シマブロ!
とあるNPO職員の給与明細。
今回のIUターンカフェの目玉は、「シマブロ」メンバーであり、東京からUターンしてきたとあるNPO職員であるB君の赤裸々な「お金」についてのお話。
会場の様子。
都会が良いか?地方が良いか?
今回のモデルケースである、B君は島根で生まれ育ち、大学の時に千葉に出ることになりました。そして、都内のコンサル会社に就職。
その後、地元への愛が強かったB君は、20代後半をむかえ、島根へのUターンを決めました。現在は、地域活性化につながる活動をしているNPO職員として切磋琢磨しているというわけです。
B君は今回、Uターン前後の収入と支出を「詳細に数字まで公開する」という苦行に近い試みをしました。果たして「都会の生活」と「地方の生活」何がどのように違ったのでしょうか?B君の話を聞いた上で、僕が感じたことをまとめておきます。
「Iターンとか流行ってるし、なんだか田舎に魅力を感じるけど、仕事とかあんの?やってけるの?」って思っている人、「東京しんどいし、やっぱり地元に帰りたいけど、地元って何も無いし、仕事も無いし、どうしよーかな。」と思っている人など、IUターンしたいけど決断出来ない人たちにとっては判断基準になる有益な情報になるんじゃないかと思います!
東京から田舎へUターン、収入は半分。
まずは一番気になるところからいきましょうかね。お金ですよ、お金!お金は大事ですよ!というわけで、東京でサラリーマンをしていたB君の収入はUターンで地元に戻ってきた後、どう変化したのでしょうか。
なんとですね...地元に帰ってきてから...「収入が半分になった」そうです。衝撃!現実はきびしーぜ!
数字をここで公開するまではしませんが、東京にいた頃のサラリーはボーナス込みでも「普通の水準」だったと思います。地方に来てからの収入はNPO職員ということもあり、「NPOだから少ないじゃないんかなー?」と思って聞いてましたが、あとあと他の人に聞いてみると「収入が半分になった」という人は結構いたんですよね、これが。
sad eyes / rawlands
ではでは「収入が減った」ということは、次に気になるのは「支出」ですよね。実はここにも衝撃の事実が潜んでいたのです。
「飲み社会」と「車社会」に圧迫される支出。
「収入が半分になった」ということは、普通に考えて支出も減らないと生活なんかやってられませんでしょ。個人的には「田舎だから、生活費とかあんまかかんねーんだろ、どうせ。」と、余裕綽々と先読みしていたのですが、そんなことはありませんでした。
なんと、「支出はほとんど変わらない」とのことなのです。
もちろん少しは下がっているんですけど、でも収入が半分になっていることを考えると、割に合わなすぎです。これはやばすぎです。
なぜ、支出が変わらないのか?それは田舎特有の「飲み社会」と「車社会」に原因がありそうです。
「飲み社会」については、僕もこっちにきてひしひしと感じたことでもあるのですが、こっちの人って飲むの好きなんですよね。日常茶飯事というか、何かあるたびに飲んでるイメージがあります。そしてハシゴもする。
Cheers! James and Fred at Furey's Pub... / National Library of Ireland on The Commons
言い換えれば「飲みに行く」くらいしかやることが無いのかもしれません。収入のうちのかなりの割合が「飲み代」に消えて行っているんじゃないでしょうかね。
田舎だからこそ、「人間関係」とか「つきあい」とか大事なんでしょうけどね。もうちょっと上手いコミュニケーションの取り方があるんじゃないかなとも思います。
それと、「車社会」。これは説明不要だと思いますが、地方では車での移動がメインで「車を持ってないやつ、ファック!」な社会なので、燃料費などの維持費がハンパないんですね。
B君は親の車を使用していると話していましたが、他の人で東京からIターンしてきた人に話を聞いてみたところ、「東京にいたときと比べて、家賃が少なくなったけど、その差額と同じくらい車の維持費が掛かるねー。」とおっしゃっていました。確かに、東京にいたら車なんて不要ですしね。公共機関も安いし便利ですもんね。
「収入が半分になった」という残念な情報を得た後、期待していた「支出も下がるはず!」という予想はみごとに外れ、さらに残念な気持ちになったわけです。(果たして起死回生なるか?!)
やりたい事があるのであれば、地方でもやっていける。
「地方に行くと、東京から比べて収入が下がるし、支出は変わらない」という残念な事態におちいっているのですが、そこで次に浮かんでくる疑問があります。
それは「んじゃ、なんで地方に行く意味があるのよ!?」という疑問。「お金大変なら行く意味ないんじゃね?」と、ほとんどの方が今思っているんじゃないでしょうかね。そりゃそーですよね。
B君が「経済的には決して満足した生活を送れていない」にも関わらず、ポジティブに前を向けている理由、それは「やりたい事があるから」でしょう。
これは数字で評価出来るものではないのですが、B君は現在とても輝いている様に見えるんですよね。B君と長い付き合いの友人からみても「東京にいるときから比べて、良い顔している」んだそうです。非常に充実した表情をしているんですよね。
Smile / Hamad AL-Mohannna
これはB君だけじゃなくて僕も同じなんですが、「やりたい事」が見えている人にとって、地方ってところは「良い環境だな」て思えるんですよ。
なんでかっていうと、時間があって余裕があるし、人が少ないから少し技術があれば重宝されるし、人との繋がりも深いから人をすぐ紹介してくれるから、仕事が速いんです。「目標へ向かって行ける速度」が早いんですよね。じゃんじゃん仕事を任されるし、じゃんじゃん面白い人を紹介してもらえるんです。
例え「目先の生活」が厳しくても、前に進むことが出来ている実感があれば、将来に向けてビジョンも広がって行きます。だから、少しくらい大変でも楽しいし、充実してるんですよね(もちろん、その先に結果を残さなきゃ全く意味ないですけどね)。
B君もおそらく、このような心境で将来へのモチベーションを持ち、今を楽しく生活出来ているんだと思います。そもそも東京でのサラリーマン生活が嫌になって、地元に帰ってきているわけですから、「自分の生活が、自分のやりたいことに繋がっている」と感じるだけでも、地方で働く意味はあるんじゃないでしょうか。
都会、地方の違いは求める価値観の違い。
「結局、都会と地方どっちがいいのよ?」というところですが、まぁ両方とも良いとこもあれば悪いところもありますよね。すんませんね、ありきたりのつまらない返答で。。
ってか、都会と地方って、「どっちが良いのか?」っていう良し悪しじゃ無いと思うんですよ。「どっちが良いか?」じゃなくて、「どっちが合うか?」だと思うんです。
とっても元も子もないことを言いますと、都会でも地方でもどちらにせよ、生きていくことは大変なんですよね。お金を稼ぐのも大変。楽な方法なんて無いですよ。それが現実なんですよ。
でも、生き方にはいろんな生き方があるじゃないですか。お金の稼ぎ方にも向き不向きがあると思います。東京の大手広告代理店で勤めることが向いている人もいれば、IT企業の社長さんになるのが向いている人もいるし、陶芸家やアーティスト、農家や酪農家や、カフェ経営、宿泊施設経営などなど、いろんな働き方があって、それぞれ向き不向きがあります。
結局は、いろんな働き方の中から「自分にはどんな働き方が向いているのか?」「自分はどんな働き方をしたいのか?」を考えることが必要で、その結果「それが都会で出来ることなのか?それとも地方で出来ることなのか?」が見えてくるんじゃないかと思います。
そして、都会か?地方か?を選択して自分に向いている生活をすることが出来れば、どちらの生活でも上手くやっていけるんじゃないでしょうかね。
地方は「仕事を探す場所」ではなく「仕事を作る場所」。
「なんか地方のほうが良さそうだなー。」くらいの気持ちでIUターンをしても、理想と現実のギャップに打ちのめされて、「やっぱだめじゃん、田舎!コンチクショー!」と不満を漏らしながら都会の生活に逆戻りになってしまうでしょう。
ってか、今回のB君の話を聞きながら思ったのですが、「地方って仕事ありますか?」っていう質問自体ナンセンスなんですよ、たぶん。
地方ってところは、「仕事を探す場所」ではなくて「仕事を作る場所」なんです。だから「地方で仕事を探すぞー!」と意気込むんじゃなくて、「地方で仕事を作るぞー!」という気持ちでIUターンしてくれば良いんじゃないかと思います、たぶん。
Aberaman Miners' Training Centre / LlGC ~ NLW
「えー、でも仕事作るって大変じゃない?」って、もしあなたが思うのであれば、おそらく地方ではなく都会で働いていたほうが向いているってことなんでしょうね、たぶん。
僕の場合は完全に前者だったので、なんとかやっていけるような気がしています、たぶん。まぁ気がしているだけではやっていけない厳しい世の中ですからねー!日々精進してくであります!
B君、シマブロ!の皆さん、今回はためになるお話をありがとうございました!!
あでゅ。