島根に到着してから、早いこと1週間。そろそろ僕が島根のこの地で「何をしようとしているのか?」をまとめて行きたいと思います。
前にヒッチハイクをする理由として、ほんの少しだけ簡単に書いたこともありますが、このブログを「僕が東京から、最も遠い町に来た理由。」というタイトルをつけていることもあるので、その辺の理由から書いていかないといけないですね。
脱サラから1週間、島根移住のために出発します! #移住日記 0日目 : 僕が東京から、最も遠い町に来た理由。
僕が東京から離れた理由には、とある原体験があります。それは東京が働いているときに感じた、若い世代の考え方への違和感と危機感です。
具体的な業務内容はあまり言えないのですが、前職ではエンターテイメントの世界を志す若い子達(10代後半から、20代前半)の管理育成、マネージメントを担当していました。
毎日毎日、自分よりも年齢の低い子たちと、未来のビジョンについて話し合い、将来についてや人間関係についての悩み相談を受けることが僕の仕事でした。
今思えば、とても貴重な経験だったと思います。自分と異なる世代の子達と触れ合う機会なんて、普通に生活していたらそんなに沢山はないですよね。職場で部下がいるとしても、人数はそれなりに限られていると思います。身近な仕事では、学校の先生くらいでしょうか。
そんな貴重な経験をさせてもらって、いろいろと学びもありました。学んだことは沢山あったのですが、それ以上に感じていたこと。それが、若い世代の子達の考え方への違和感だったんです。
最初は「最近の若い子はこんなもんだよなぁ〜」と軽く考えていたのですが、思った以上に根強く、この違和感は危機感へと変わるようになりました。そして、この危機感は僕を動かす衝動へと変わっていったのです。
■ 3つの危機感。
その危機感が以下の3つです。
1.常に自分を隠そうとしている。
一番、強く感じたのはこれです。「自分を隠そうとする」、言い換えると「自分を出すことを怖がっている」ということですね。
自分を表現することで、「変な人だと思われるんじゃないか」「嫌われるんじゃないか」「笑われるんじゃないか」ということを常に気にしています。抽象的な表現ですが、「良い子」になろうとしてしまうんですよね。
例えば、天然でおバカキャラの子がいるとします。それはその子の特徴であり、個性ですよね。天然の子と一緒にいると、その斜め右に行った発想が面白いですし、突拍子もない発言は場を和ませる効果もあルト思います。それは魅力になりうることです。
でも、本人はそんなこと思っていません。
「バカにされないように、ちゃんとしなきゃ。」「社会で恥ずかしい思いをしないように、真面目にならないと。」「周りに迷惑かけないように、普通でいないと。」と考えてしまいます。
さて、ここで質問です。そうやって、ちゃんとして、真面目になって、普通でいることで、その子の良いところって表に出ると思いますか?
「みんなと一緒」
これで、クローンのような社会人の出来上がりです。
「自己表現することは、ダメなこと。」これが今の子たちが考えていることです。自己表現が出来なくなったら、自分の得意分野も見つけられなくなります。自分の悪いところばかり気にして、劣等感に陥ります。
面白くて、想像力にあふれた発想も生まれず、誰でも考えられるようなものしか生み出せない人ばかりになってしまったら、新しいものは何も生まれず絶望的です。
これからの日本の将来を担う若者は、果たしてこれで良いのでしょうか?
2.常に誰かに正解を求めている。
「指示待ち人間」という言葉が使われだしたのはいつ頃なんでしょうかね?「正解を求めている」というのは「正解は何ですか?」「正解を教えてください」という考えを持っているという意味です。
正解を求めることは必ずしも悪いことではないので、言葉の表現の仕方が難しいのですが、「答えは誰かが持っていて、その答えを探すこと」が前提とされてしまっているところが問題だと感じました。
誰かが答えを知っているばかりであれば良いのですが、世の中には答えが無い問いも沢山あります。教育、ビジネス、人間関係、人生とは答えの無い問いばかりです。
誰かに正解を求めてばかりいると、自分で答えを見つけられなくなってしまいます。それだけではなく、「誰かの正解」=「自分の正解」という認識をしてしまいます。
生まれた時代、住んでいる場所、家族構成、性格、好きなものや嫌いなもの、人それぞれ全く違う要素から構成されているのに、「誰かの正解」=「自分の正解」としてしまうのには無理がありますよね。
「答えは誰かが持っているから、頑張ってそれを探そう。」これが今の子たちが考えていることです。自分で答えを見つけられなくなったら、相手に答えを提示してもらえないと、前に進めない人になってしまいます。答えの無い壁にぶつかったときに、それを乗り越えることを考えることが出来ず、絶望的です。
これからの日本の将来を担う若者は、果たしてこれで良いのでしょうか?
3.自分のやりたいことが出来ないと思っている。
夢を持つことは非常に良いことです。でも、今の子たちは「夢は叶わないもの」だと思っています。「いつまでも夢ばっかり見てないで、早く安定した職に就かなきゃ。」こんなことを思っている人は沢山いるんじゃないでしょうか。
金銭的に難しいから、年齢的に難しいから、親が反対するから、子供がいるから、田舎に住んでいるから、いろんな原因を見つけては、「夢は叶わない」と自分に言い聞かせます。そして、自分がやりたくもない仕事につき、愚痴を言いながら一生働くことになります。
夢を見ているだけじゃ前に進まないですが、「本気で夢を目指したい」のであれば「どうすれば夢を叶えることが出来るのか?」必死に考えれば良いと思います。夢は自分で開拓するものです。無理かどうかは、やってみなきゃ分からないじゃないですか。
でも、やる前から「無理」だと思い込んでしまう。チャレンジもしないで「無理」だとあきらめてしまうんです。
「どうせ夢は叶わないから、現実を見て誰でも出来ることをやろう。」これが今の子たちが考えていることです。夢は夢だからこそ、叶えたときに大きく得るものがあるんだと思います。夢は無理だと諦めて、無難な道を進むのが当たり前になってしまったら、人生って楽しいんですか?人生は楽しくないものだと考えるようになってしまったら絶望的です。
これからの日本の将来を担う若者は、果たしてこれで良いのでしょうか?
■ 自分の人生ではなく「他人の人生」を生きている。
僕が感じた危機感を3つあげましたが、実はこの3つは根本的な意味では同じことなんです。
自分を隠そうとしてしまうことも、誰かに正解を求めてしまうことも、やりたいことが出来ないと思ってしまうことも、全ては「他人の価値観で生きてしまっている」からなんです。
人に嫌われようが、笑われようが、それは他人の価値観です。誰かに正解を提示されようが、それは他人の価値観の中での正解です。夢は叶わないと思い込んでいるのも他人がそう言っていたから思い込んでいるだけで、それは他人の価値観です。
みんな「自分の人生」を生きてないんですよ。「他人の人生」の中で肩身の狭い思いをしながら生きている。自分に合うはずのない「他人の人生」に頑張って合わせて生きている。そんなの楽しくないし、辛いだけじゃないですか。
僕はそんな考えを生み出しているのは、この日本社会の「空気」だと思っています。そして、その「空気」をつくりあげているのは、「上の世代の人間」です。
上の世代の人間がつくりあげた社会の空気は、下の世代の子たちにとっては非常に生きにくい空気になってしまっています。このままでは将来に希望を持てない、お先真っ暗な社会になってしまいます。
日本の10万人あたりの自殺率は、21.7%。
先進国の中で比較すると、
アメリカ 11.0%、
イギリス 10.9%
イタリア 10.0%
と、ずば抜けて高い数値を叩き出しています。僕の感じた危機感がこの自殺率に関連しているかは分かりませんが、何かを変えなきゃまずいのは確かです。
世界 自殺ランキング 自殺の多い国は? 自殺の少ない国は?: 教えて!世界ランキング 2014 ~世界の統計~ 世界一の国はどこ? 日本は何位?
「どうすればこの状況を変えられるのか?」
それを考え出したのが、僕が島根に飛び立つことになったキッカケでした。次は、この「どうすればこの状況を変えられるのか?」という問いに対して出した、僕なりの答えはなんだったのかを書いていきたいと思います。
乞うご期待!
※追記※
そういえば、今年「嫌われる勇気」という本がベストセラーとして、かなり注目されましたが、基本的に僕の思っていることと同じようなことが書いてありました。そんだけ売れてるんだから、みんなそろそろ気づき始めているんだと思います。
僕の考えに共感してくれる人で、もし読んでいない人がいれば、ぜひ。
コメント