前回、僕が東京から島根に移住した理由として、東京で働いていたときの原体験のことを書きました。


僕が東京で、若者の考え方から感じた3つの危機感。 : 僕が東京から、最も遠い町に来た理由。


若者の考え方に違和感を持ち、それが危機感になり、「何か行動しなければ」という衝動になったという話です。(どんな考え方に違和感をもったのかは、記事をご覧ください。)

その原体験を通して僕は「どうすればこの状況を変えられるのか?」を考えました。今回は考え抜いたその答えについて書こうと思います。


■ なぜこのような考え方を持ってしまうのか?

なぜ、僕が関わっていた子たちは、自分を隠し、自らの答えを導こうとせず、夢を諦めてしまっているのでしょうか?それは「上の世代の人たちがそういう空気を作っている」と前回、書きました。

じゃあ、上の世代の人たち(以下、わかりやすくするため「大人」とします)のどんな行動が、「そういう空気」を作り上げてしまっているのでしょうか。

まず僕のなかで浮かび上がったキーワードが「主体性」でした。この「主体性」を持てない環境で育ってしまえば、他人に従うことが当たり前になってしまいます。

逆に、他人に従うことが当たり前になってしまえば、主体性が無い人になってしまうということです。

じゃあ、なんで「主体性」が生まれないのでしょう。その原因は以下の3つだと、僕は考えました。


■ 主体性が無くなってしまう3つの原因

1.命令してしまう。

立場が上の人間は、ついつい子供や部下に対して、「ああしなさい」「こうしなさい」と命令してしまいます。時には有無を言わさず、理由も述べずに命令をしてしまうこともあるでしょう。

そして、命令に従わなかったら、不機嫌になったり、叱ってしまうこともあると思います。

「命令に従わなければ叱られる」という意識が植え付けられてしまえば、命令された時には、嫌な思いをしたくないので命令に従うようになります。命令にしたがえば叱られることは無いですし、逆に褒められることもありますからね。

命令に従うことが当たり前になっていけば、自ら考えて行動することを止めてしまいます。どんどん相手の命令に忠実に従うことが正義と考えるようになっていきます。

これでは軍隊です。

軍隊には「敵のミサイルを迎撃する」「敵の艦隊を撃破する」という、明確なミッションがあります。命令に逆らうようなことがあっては、ミッションがスムーズに遂行されなくなってしまいます。

命令に従わせるために、自ら余計なことを考えないように洗脳をしていきます。極端な例をあげれば、ニュースなどで見る、北朝鮮の「将軍様主義」をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。(北朝鮮の人々が実際どうなのかは置いておいて)

命令をするということは、自分に従わせるということです。与えられたミッションを遂行するマシーンにはなれるかもしれませんが、自らのミッションを考える力は無くなってしまうんじゃないでしょうか。


2.否定してしまう。

立場が上の人間は、ついつい子供や部下に対して、否定的な態度をとったり、「いやでも、それは違うでしょ」と否定的な言葉を投げかけてしまいます。

自分が培って来た知識や経験があるので、ついつい自分の中にある答えを押し付けたくなってしまいます。それが古い時代の知識や経験だったとしてもです。

「これは良いかもしれない!」と子供や部下が意見を言ってきたときに、否定的な言葉を投げかけると、相手は「意見しても無駄だな」と考えてしまいます。

どうせいくらいっても自分の意見は通らないんですもの。否定されるだけ。ときには「そんな考えだから、お前は甘いんだ」と怒られてしまうこともあります。

そんなことになったら最悪です。「自分の意見を言ったら怒られる」という意識が植え付けられてしまうんですから。

どうせ怒られるんなら、黙っておいたほうが良い。相手に合わせておいたほうが楽だし、余計なことはしないでおこうという考えを持ってしまいます。

これでは前向きに「自分の意見を言いたい」と思える人なんか生まれませんよね。


3.過度な援助をしてしまう。

立場が上の人間は、ついつい子供や部下に対して、過度に手を貸してあげたくなってしまいます。

やはりこれまで培って来た知識や経験があるので、上手く行かないところを見ていると早々に口出しをして、「ちがう、ちょっと貸してみろ」と本人の代わりにやってしまいます。

代わりにやられてしまった側は「ラッキー」と思うかもしれませんが、このまま手を貸してもらってばかりいたら。自分で解決することが一生出来ない人になってしまいます。

これは僕の実体験なのですが、僕の母親は世話焼きでお人好しなので、けっこう過度に手を貸してしまいます。

それには愛情も感じるし、感謝しなければならないことなのですが、その結果、僕は新幹線の乗車券や航空券を自分で買うことがありませんでした。そして、良い大人になってから買い方が分からずに困った覚えがあります。

細かいことですが、そんな経験がちらほらと思い当たります。

早い段階で失敗をしたり、「どうすれば良いんだろう?」と考える機会があれば、その分成長も早く出来ます。

人にやってもらってばかりいたら、その成長する機会が無くなってしまうんですよね。

つまり、過度に手を貸すということは「相手の成長する機会を奪ってしまっている」ということになります。

幼い頃、若い頃に困難を乗り越えるという経験をしていなければ、大人になって大きな困難にぶつかったときには、すぐに諦めてしまうようになっていしまいます。これでは前に進むことは出来ません。


■ 主体性を発揮させるには「待つ」こと。

みなさん、僕が考える「主体性が無くなってしまう3つの原因」についてどういう考えを持ったでしょうか?身に覚えがある人も多いんじゃ無いかと思います。

この3つ、全て「待つ」ことが出来ていないんです。答えを急ぎ過ぎるあまり、自分の考え、自分の価値観を相手に押し付けてしまっているんです。

それが行き過ぎた結果、相手はその押しつけられた考えや価値観に従うことを選びます。

怒られたくないから。そして、楽だから。

この問題を改善する方法は、ただひとつ。

それは次回に持ち越そうと思います。次回は、いよいよ「僕が島根に来た理由」にたどり着きます。(たぶん)

乞うご期待!



★☆☆ おすすめ記事 ☆☆★

■ 僕が島根に移住を決めた理由。
移住の理由①|僕が東京で、若者の考え方から感じた3つの危機感。 : 僕が東京から、最も遠い町に来た理由。

移住の理由②|僕が東京で見つけた、相手が主体性を無くしてしまう3つの原因。 : 僕が東京から、最も遠い町に来た理由。

移住の理由③|僕が日本を良くするために必要だと思う、たったひとつのこと。 : 僕が東京から、最も遠い町に来た理由。