昨日、津田さんのJAM THE WORLDの「BREAKTHROUGH!」のコーナーに、佐賀県武雄市の市長さんがゲスト出演していました。

武雄市の市長さん(樋渡啓祐市長)といえば、図書館改革を行ったという話が有名ですね。市営図書館とTSUTAYA(カルチャー・コンビニエン・スクラブ)をコラボさせてしまうという先進的なアイデアで、市民が求めるコミュニティースペースを作ってしまいました。(武雄市図書館

しかも、80%以上の人が施設にポジティブな意見を持っているという調査結果も出ているようです。(しかもしかも、雇用も生み出しているし、本の売り上げも伸びている!)

そんな武雄市が、またなにやら面白いことを始めるようです。


公立小学校と学習塾のコラボ


school lockers / hans s

武雄市が次に仕掛けようとしている施設、それは「公立小学校」です。はなまる学習会という民間の学習塾と提携し、なんと「公立小学校と学習塾のコラボ」を実現させようとしているとか。

「今の教育はどこも同じでつまらないから、民間のノウハウを借りる」というようなことを、樋渡市長はおっしゃってましたが、いやはや結構無茶なことをするなと…。

どんな取り組みを行うかというと...

・異学年学習
・従来とことなるアプローチの学習(音楽で英語を学ぶとか、体育で英語を学ぶとか)
・反転授業(ビデオ学習、オンライン授業)

などなど、これまでの公立小学校では行われていない授業を取り入れるとのこと。プログラミング言語も小学生のうちから習わせる予定もあるとか。(「語学だから早いほうが良いでしょう」と市長は言ってました…。)

教育方針は...

・早く月曜日にならないかなと思う小学校を目指す
・飯が食える大人を育てる
・楽しく考える、楽しく遊ぶ


だそうです。
是非はどうあれ、このくらいのことをしないと今の公立の学校の体制は変わらないんじゃないかと思うので、個人的には賛成です。


根本から変えられるからこそ意味がある。

今の公立学校では、従来のカリキュラムにしばられて、先生にも子供たちにも余裕な時間が無いので、新しく何かを取り入れることは不可能に近いんじゃ無いかと思います。「なんとかしなきゃ」という問題意識はあっても、それを変えようとするエネルギーと時間が無い。

何か実行できたとしても、エネルギーと時間が足りないので、継続性の無い小手先のイベントやプログラムになってしまいます。だから、何か細々とやって、工数だけ増えて、職員が大変で、んで何か変わったっけ?ってなってしまいます。

地域の取り組みとして、教育をなんとかしようと行動している保護者の方なら、「変えられない」学校に対してウンザリした経験もあるのではないでしょうか。

今回の武雄市の学習塾とのコラボでは、民間の教育方針を公立の小学校に取り入れるということに抵抗がある人もいるようです。しかし、このコラボによって根本的な教育内容、教育方針から変えることが出来れば、新しい授業やプログラムを追加するだけではなく、いらない授業、いらないプログラムを削除して、洗い直すことも出きるでしょう。

余計なものを取り除いて、良いものだけを残すことによって、より効率的に子供たちにプラスになる環境を作っていけるんじゃ無いかと思います。


行政が「変える」空気を作ることで、市民が「動きやすい」空気が作られる。

さらに、武雄市のように、行政が「変えよう」としてくれれば、民間にも「変えよう」というエネルギーが生まれてくるんじゃないでしょうか。

今まで何かを提案しても「いやぁ、学校には時間が無いから」といって却下されて来た良質なアイデアも、どんどんカタチになり、民間とのコラボもより増えていくことになるんじゃないかなと思います。

自治体全体に「良い教育環境をつくっていこう」という空気が出てくれば、より一層子供の教育に関心が生まれ、小学校教育以外の子供にまつわる問題点(待機児童の問題だとか、貧困家庭の子育ての問題だとか)なども、良い方向に動いていけば良いですよね。

行政が「変わること」に対してポジティブだと、町の人たちも生き生きとしてくるのでしょう。武雄市の図書館の話を聞いている限りは、町の人は生き生きとしているようなので、今回のケースがどういう結果になるのかが非常に楽しみです。

今、はなまる学習会とコラボする小学校への問い合わせが、ハンパ無いみたいですね。市長は過疎対策も意識をして、教育に力を入れているようです。これは、僕が将来やりたいと思っていることと全く同じ考えなんですよね。1回視察に言ってこなきゃですね。

あでゅ。